住宅ローンを変動金利で借りる人が多いのはなぜ?

06.27

変動金利のリスクに注意

私がFPとして住宅ローンの相談を受ける際、最も多いご相談は、

「これだけ借りて、これから数十年、住宅ローンを払っていけるだろうか?」

という内容です。

今は払えるのはまちがいありません。
払える額しか銀行から借りられないのですから。

でも、これからの人生において、住宅ローンの支払いができなくなるような出来事があるかもしれません。

住宅ローンの支払いが厳しくなる原因

  • 金利の変動
  • 子供の教育費(私立へ進学など)
  • 病気・ケガ
  • リストラなどで失業
  • 給料・ボーナスカット、収入減

中でも、相談者の皆さんがいちばん甘く考えているのが、金利の変動についてです。
金利はわずか半年で見直されています。
一番注意を払っておくべきです。

  • 20年近く低金利だし、景気は良くならないから金利が上がることはないのでは・・・
  • 金利が上がっても、返済額は5年間固定、上がっても返済額は1.25倍までだから払っていける

そう考える方があまりにも多いのです。
いや、そう信じ込まされている、と言った方がよいかもしれません。

金利の変動については誰も予測できません。
下記の金利推移表を見ると、銀行の住宅ローン(変動金利)は、最高で8.5%です。
そこまで上がらなくても、30年間に、4%ぐらいに上がる可能性は十分あると考えておくべきです。
金利推移
【金利推移表に関する注意】
※当事務所にて作成したものです
※固定金利は平成15年までは住宅金融公庫、以降はフラット35 金融機関のうち一番低い金利を採用しています
※6月と12月時点の住宅ローン金利です(実際にはもっと短い期間で変動しています)

変動金利で住宅ローンを組むように誘導されている?

住宅ローンの借り入れを検討されている方は、住宅ローンの関する知識をどこで得ているのでしょうか?
最も影響を受けている情報源は、住宅や不動産の営業担当者と銀行の住宅ローン担当者です。
彼らが決まって口にする言葉が、

「みなさん、変動金利で借りられてますよ」

という言葉です。

彼らの目的は、家を買ってもらうこと、お金を借りてもらうことです。
固定金利では、毎月の支払額が多くなり、借りる側からすると負担が大きく見えます。
当然、お客様は慎重に考えるようになりますから、計画を白紙に戻す方も出てきるので、契約を逃してしまうかもしれません。
だったら、支払額が低く、払っていける確信を持ちやすい変動金利を推すことになります。
営業担当者は契約を獲得することが目的なので、そうなるわけです。

しかも、彼らも住宅ローンは変動金利で借りた方が得だと強く信じ込んでいる傾向があります。
お客様に良かれと思って変動金利をお勧めしている方もいるようです。
営業の現場にいる人間の多くが、住宅ローンの金利が高かった頃を経験していないからです。

営業が金利が高い時期を知らない

私が大学を卒業してハウスメーカーに入社した20年ほど前、銀行の住宅ローンの変動金利は6%ぐらいだったと記憶しています。
多少は上昇する局面もありましたが、その後の20年間、ずっと住宅ローンの金利は下落傾向が続いています。
20年前にはまだ社会に出ていなかった30代、20代の方は住宅ローンの金利が上がる可能性について、あまり納得できないのは無理もありません。

今では、全期間固定のフラット35では2%を切り、変動金利では最優遇金利適用であれば0.6%台なんて商品もあります。
20年ほど前、ハウスメーカーに勤めていた頃の私は、これほど住宅ローンの金利が下がるなんて想像もできませんでした。

銀行の窓口でも同様です。
住宅ローン担当の銀行員が言う言葉も、
「みなさん、変動金利で借りられてますよ」
なのです。

銀行としても住宅ローンを借りて欲しいので、返済が楽に見える変動金利をお勧めするのです。

しかし、人それぞれ、環境も、資産内容も、将来の目標も異なります。
他の人と同じであることを重視してはいけません。

人は人、自分は自分。
あくまでも、自分の場合はどうなのか、自分の目線で判断しなくてはなりません。
そういう能力を身につけないと、これからの世の中は渡っていけません。

住宅ローンを借りる際には、まず固定金利で検討してみることが大原則です。
変動金利を選択できる人は、将来の金利上昇リスクに対応できる方のみ。
例えば、自己資金を多く出せるので、借入額が少ない方とか、毎年、十分にお金を残して積み上げることができる方です。

もし、月々の収入から住宅ローンの返済額を引いて、十分にお金が残らないのであれば、家計の見直しを徹底的に行うか、住宅ローンの借入額を減らすとか、住宅購入を止めるとか、再検討の必要があります。

Author Profile

菊池英司ファイナンシャルプランナー・不動産コンサルタント
不動産取引、住宅購入・売却等のアドバイスを中心にファイナンシャルプランナー、不動産コンサルタントとして、第三者の立場から公平なアドバイスを行っている。
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